115回医師国家試験に合格しました!
入学当初から成績は学年の底辺をさまよい続け、6年生が始まるまで文字通り「1分も」国試の勉強をして来ず、「腕頭動脈が左右どちらにあるか」という超基本的な知識さえなかった自分は1年間本当に苦労しました。
これから国試の勉強を始める方が自分のような苦労をしないように、勉強法や講座のレビュー等を少しずつ書いていきます。今はまだ雑記の段階ですが、随時更新・編集していき、最終的にはこの記事を見れば国試の全てがわかる、事典のような感じにしたいと考えています。
それでは、しばしお付き合いください。
絶対に伝えたいこと
QBは1周目問題だけやれ!
QBでは、近年出題された問題を中心とした「必ず押さえておくべき問題」には「1周目問題」という印がつけられてます。
医学生は真面目な人が多いので隅から隅まで1問も残さず解いていく人が多いが、「QBは1周目問題だけやれ!」と声を大にして言いたい!(特に自分のような底辺勢!)
1周目問題以外の問題というのは①古すぎる(90回台以前の問題)②1周目問題の類題、もしくは1周目問題で内容がカバーできる問題 のどちらかであることが多い。
①だが、国試は数年かけて出題者委員の先生が少しずつ入れ替わっていくため、ある程度出題傾向みたいなものがある。古すぎる問題というのは、「この疾患でもうこんな出題の仕方しないよ」みたいなのが沢山ある。また、特に80回台に顕著だが、昔の国試は重箱の隅をつつくクイズ大会みたいな問題が多いため、臨床現場を強く意識していて思考力重視になっている今の国試とはアプローチの仕方が全く異なる。
②は言わずもがなだと思います。効率悪いですよね。
自分でイチからQBのまとめを作るな!
自分はこれをやってしまって結構時間を無駄にしてしまいました。
QBを解いてると「これ知らない知識だけど重要そうだな」ってのが沢山出てくるはず。
そういう知識を自分でイチからまとめるのは時間の無駄なのでやめるべき。
予備校テキストにメモして後でテキストごと復習するのが正解。
予備校のテキストは、予備校の先生が国試で出題された知識のうち本当に重要なエッセンスを詰め込んだ集大成のようなもの。それと同じことを私たち受験生がやろうとしても無理だし、結局量が膨大になってしまうので。
QB1周目問題を解く→重要そうな知識を予備校テキストにメモる→予備校テキストを復習→QB1周目問題を解く…のサイクルが大事。
あとこれはあまり言及されないけど、QBの解説書いてる先生って各科の凄い先生なんだけど別に国試の専門家ではないので、QBの解説の内容が国試で重要かと言われると全然そんなことなかったりする。国試対策に関しては、国試を何年も研究してる予備校の先生の方が上手です。
(たまに紙のQBにラインマーカー引いて勉強してる人いるけど絶対やめた方が良いと思う。)
模試について
夏メック、冬メック、テコ4の3回で良い。
これらは受けてる人数が多いので、成績も比較的正確に反映されるし受けとくと良い。
テコ3も受けたが、正直いらなかった。
最近はMM模試受験者が増えてきてるようです。
冬メックの方がオススメだが、学校受験などでMM模試を受けないといけない場合は冬メックはパスした方が良いかも。時期が被ってるのでオーバーワークになりがち。(特に我々底辺勢には)
これは中高時代から耳タコな話だと思うが、模試は復習して初めて受けたと言えるものなので、1回400問ある模試は受ければ受けるだけ復習しないといけない、負債のような問題群が増えてしんどくなる。
模試の使い方や心構えについてはDr.穂澄のこの動画がオススメ。
視聴講座・使用教材とレビュー
MEC
MEC臓器別講座(オススメ度★★☆)
Dr.渡が担当。MEC前期講座の主力講座。
Dr.渡の解説は非常にわかりやすく、流石としか言いようがない。
ただ、受講生に黒板の図を書かせながら説明する場面も多く、絶望的に絵心のないタイプの人はしんどい(自分だけ?)
あと、MECのデジタルテキストは紙のでっかいテキストをただPDF化してるだけなので、iPadで見ると文字が小さく本当に復習しにくい。
その点、medu4やQAはデジタル勉強前提なのでテキストは見やすく、復習しやすい。(穴埋め形式だしね)
(Dr.爆益)
MEC産婦人科講座(オススメ度★☆☆)
Dr.榎本が担当。
可もなく不可もなく、といった感じでネット上でもリアルでも、口コミが非常に少ない笑
産婦人科(特に産科)は正常分娩や正常な解剖など、正常が非常に重要な科目なので、それを念頭に置きながら勉強を進めていって欲しい。
自分は講座やテキストの復習はほぼせず、結局QBを解きまくって何とか形にしたので結構自己流になってしまった。
(Dr.爆益)
MECマイナー対策講座(オススメ度☆☆☆)
Dr.渡が担当する科目(年度によって変わる)とDr.孝志郎の精神科以外はてんでダメ。
ダメな科目はmedu4取りましょ。(1科目から取れるのもmedu4の良いところです)
(Dr.爆益)
MEC小児科対策講座(オススメ度:不明)
自分の学年まではDr.孝志郎が担当。1つ下の学年からはDr.祐という専門医の先生が担当している。自分は講義を受けたことがないのでコメントできません……悪しからず。
(Dr.爆益)
MEC必修対策講座(オススメ度★★☆)
Dr.貴山という普段福岡で教えてる先生が担当。Part1(手技など、項目の説明+ちょっと問題演習)とPart2(問題演習がメイン)に分かれている。Part2はテキストがマジで分厚くてビビる。
必修対策を始めるのは秋以降になると思うが、秋以降は思ってるより時間がない。結局問題演習はQBでやることになるし、必修の問題に対してじっくり解説聞いて……ってするのも時間効率良くないかなと思ったのでPart1だけ見てテキストを何回か復習した。全然この感じで良かった。Part1のテキストもまとまってて良いと思うが、全体としては後述するmedu4必修特講に軍配が上がる。
(Dr.爆益)
MECサマライズ(メジャー・マイナー)(オススメ度★☆☆)
Dr.孝志郎とMECスタッフが総力を挙げて作ってる(らしい)講座。が、その中身は「みんな見てるから」という国試勉強の昔からの悪習のせいでだらだらと見てしまう講座の筆頭格。
勘違いしがちだが(自分もしていたが)、明らかに上位層向けの講座。
底辺勢にはオーバーワークです。
まず、全72コマの講座を11月に配信するのが割と頭おかしい。
あと、テキストに書いてある知識が細かすぎる(90回台の知識が多い。そんな知識はもう出ない)し、Dr.孝志郎が予想を当てまくるという噂の講座と思ってる人が多いが、あんまり当たらない(Dr.孝志郎は「◯◯の疾患は臨床では女性で出るとずっと言ってきました!去年もそう!的中!」などと宣うが、それは予想とは言わないだろう……)
まあたまにピンポイントで当たってる予想もあるみたいですが、72コマもあればそりゃ当たる問題もあるよねって感じ。
とは言うものの、取り扱う疾患の選定は割といいので、テキストの目次だけ見て、自分で前期講座のテキストや病みえなど見て勉強するのはオススメ。
(Dr.爆益)
MEC孝志郎の必修予想講座(オススメ度☆☆☆)
Dr.孝志郎が担当。12月末くらい配信。
医学英語が得意なDr.孝志郎と一緒に、医学英語を中心に必修対策する講座。
113回必修は英語が鬼難易度で、このせいで必修落ちが増えた面があり、近年の受験生と予備校は必要以上に医学英語の対策をしてしまっていたと思う。
この講座も底辺勢にはオーバーワークなのでオススメできない。
115回必修では拍子抜けするくらい簡単な問題が出て、やっぱ予想って全く当てにできんな、と思ってしまった。
(Dr.爆益)
MEC直前予想講座(オススメ度★★☆)
Dr.孝志郎が担当。1月中旬くらい配信。
割と良かった。
サマライズのサマライズみたいな感じ。かと言ってサマライズ見てないと理解できない感じでもない。
10コマくらいなので、直前期に見る講座としても重くないし、総ざらいできるので良い。
予想問題はこちらも当たらないので無視してオッケー。あと、一応最後に公衆衛生もあるけどこちらも飛ばしてオッケー。
(Dr.爆益)
MEC LAST MESSAGE(オススメ度☆☆☆)
Dr.孝志郎が担当。国試1週間前くらい配信。
今年はコロナのせいで会場を貸し切ってのライブ講義ができず、事前収録のネット配信講義+全員参加型のライブ講義になった。
1万円もしたのに、内容としてはめちゃくちゃショボかったので後悔した。
コロナが来年どうなってるか、現時点で誰にもわからないが、来年もネット配信なら取る必要ないだろう。
(Dr.爆益)
medu4(更新中)
medu4あたらしいシリーズ(オススメ度★★★)
私の 6 年間の医学知識の 9 割以上はここに詰まっています。というかこれがなければ国試に⽴ち向かうことすら出来ませんでした。medu4 が誇る臓器別講座です。
医学が全くわかっていなかった私のようなあんぽんたんにとってオススメの使い⽅としては
1周⽬はとりあえずそれぞれの疾患の特徴、機序だけ理解し覚える、臨床像は動画と⼀緒に解いて「ふんふん、そんなもんか」と理解する
2周⽬は臨床像をベースにして、動画で「ここだけは覚えてください」と先⽣がおっしゃっていたところだけ覚える、余⼒があれば練習問題も⾒ておく
3周⽬は細かいところも徐々にさらいつつ②で覚えたことをもう⼀度確認していく、練習問題を解いて演習を積むくらいがいいのではないかと思います。先⽣もおっしゃっていますが、間違っても1周⽬から表にある細かい項⽬などを覚えようとしないこと。ちらっと眺めるだけで、こんなの覚えなくていいだろ〜くらいでいいです。
そういう細かい部分は、過去問を解いてわからなかったところをテキストで⾒直したら⼤抵載っているので、その時に覚えれば良いのです。
(iro)
medu4公衆衛生(オススメ度★★★)
公衆衛生は毎年国試の出題数トップの重要な科目です。ここを得意にできると国試の勉強がずっと楽になる。自分は得意にすることができて、模試ではパッとしない臓器別の成績を底上げしてくれました。(本番ではCブロックで鬼難易度の問題が続き、解いてる時は裏切られた!!!という気持ちでいっぱいだったが……)
公衆衛生という科目はその性質上、どこまで覚えるべきでどこから覚えなくて良いかという線引きが非常にしにくい。(暗記事項、数値が多すぎるので)
各予備校の講師陣の中で、こういう線引きが最も上手なのがmedu4のDr.穂澄だと思う。地方の公立高校から現役で理Ⅲはやっぱりダテじゃない。
チャプターの最初の方にいきなり公衆衛生が受験生を苦しめる原因の1つである計算問題の山が襲いかかってきて心が折れそうになるが、何とか食らいついて下さい。公衆衛生が得意になると疲れが出るC、Fブロックに気楽に臨めるから本番の精神衛生を考えた上でも良いと思う。(例外:115回のCブロック)
(Dr.爆益)
medu4特講シリーズ
私は基本『あたらしいシリーズ』をベースに直前期まで勉強していたため、直前講座の類をそこまでがっつりやっていないのですが、殊更に必修対策に関してはこの『特講シリーズ』が⾮常に役に⽴ちました。必修の⼀般問題対策にはほぼこれで⼗分だと思います。受験⽣必携です。
また、必修以外の講座に関しては(主観的ですが)
◯ 結構役に⽴った… 輸液、栄養、計算問題
◯ 余裕があれば⾒てもいい… 酸塩基、抗菌薬、判断・評価、禁忌、症候論、裏技・テクニック
という感じです。計算問題、輸液などは特に臓器別だと対応しにくい部分で、割と点数に直結する分野に対応してくれているので是⾮⾒てみると良いでしょう。ちなみに私は国試当⽇の朝は計算問題特講をひたすら確認していました。
(iro)
必修特講(オススメ度★★★)
必修特有の手技や器具系の問題に特化した講座。
年明け頃これを取って何回も復習したら必修の点数が見違えるくらい伸びた。
先のMEC必修対策講座Part1と似た講座だが、どちらかだけ取れと言われたらこっち。
年明けから1ヶ月間、3日で1周ペースでテキストを復習し、結局10周して細かい部分も覚えまくった。
必修の普通の臨床問題対策はこの講座では全く出来ないので、当然QB解きまくって補完するしかない。
(Dr.爆益)
medu4国試究極MAP(オススメ度★★★)
元旦配信。
絶対に絶対に取るべき!!!
国試受かりたいなら絶対取るべきの講座。
膨大な国試の範囲をまとめるのが上手なDr.穂澄が送る、講義というよりもはや作品のような講座。
原則1ページに1科目分の重要事項が詰まった「マップ」の内容をDr.穂澄がテンポよく読み上げながら解説していく。
115回では、究極MAPの内容が本当にそのまま出たりしたので助かった。(Aブロックで内鼠径ヘルニア-Hesselbach 三角が出た時は叫びそうになった)
使い方だが、medu4が使い方のページを作ってくれているのでそれに則れば良い。
最低3回視聴とのことだが、7〜8周はした。というか底辺勢が3周くらいで全容を把握できるはずもないので(まとめと言えどもやっぱり量は膨大)4周目以降が勝負みたいなとこがある。底辺勢は年明けにこの究極MAPと過去3年分を回しまくることでしか合格を勝ち取れない。
逆に、成績優秀な人にとっては物足りない講座かもしれない。(知り合いの優秀層の人は「当たり前の内容ばかりでつまらない」と言っていた)
(Dr.爆益)
直前期、国試前⽇⾮常にお世話になりました。5 年分の知識に関して漏れがないか、最終チェックするのに重宝する講座です。⼀科⽬平均 20 分程度と⾮常にコンパクトにまとまっており、時間がない⽅がこれだけで国試に臨んでも極論⼤丈夫、と⾔われている意味が受講してみるとわかると思います。
ただ、これ単体で勉強するには、病態⽣理などの説明があまりなく、丸覚えになってしまう危険性があるため、ある程度勉強の進んだ⽅の⽅がより効果的に使えるかもしれません。
4年⽣などでも受講しようという⼈はいますが、その点を留意しましょう。あと、medu4 の前期講座をきちんと受講している⽅だと、結構知っていることが多いかもですが、それを鑑みても直前期のお守りとしてぴったりです。
(iro)
medu4テストゼミシリーズ(オススメ度★★☆)
正直にいうと、全部は終わりませんでした。ただ、私の場合は臓器別が 3 周終わった段階で演習が⾜りていないなと感じ、融合編だけを1⽇ 1 セットやっていました。過去問を早い時期からやっている⼈はおそらく⾒たことがある問題も多少⼊っているので、練習にならない可能性もありますが、少なくとも私にとってはちょうどいい難易度でした。
予想編に関してですが、巷では難易度がクソ⾼いと噂になっていたため、1セットだけやってみたところ、直前期だとメンタルがやられる程度には難しいと感じたため、よほど余裕 がある⼈以外は⼿をつけずおとなしく既存のテキストの復習をしておきましょう。
(iro)
medu4 回数別講座(オススメ度★★☆)
112回、113回、114回という感じで回数別に買うことができる。各回3000円くらいだが、最新の回だけちょっと高い。
問題解説自体は割とあっさり目なので、QBをある程度解き終わった秋〜冬以降に見なければ効果は薄い。
この講座の良いところは、直前期に回数別を回していて「今解いてる113C-48の解説動画が見たい!」と思った時に、画面右の 「113C-48」と書いてあるところを押せば頭出ししてくれてパッと解説動画が見れるところ。多分合計3クリックくらいで見れるので非常にストレスフリー。こういうところに変な労力を使うと割と集中が削がれるので。
MECの回数別動画は内容は分かりやすくて良いのだけれど、科目別に動画が分かれているため、上記のような使い方がしにくく使いにくい。(科目によって担当する先生が違うのでしょうがない面はある。全科目Dr.穂澄が担当してるmedu4こういう所でも強みが出ています)科目別に回数別解いてる人ってほとんどいないよね。
(Dr.爆益)
医師国家試験過去問をコンパクトに 1 年あたりおよそ 15 コマでまとめてある講座です。
過去問を軽くさらう程度にはいい教材なのではないかなと思いますが、個⼈的には medu4 の過去問データベースで演習しつつ解説を読むのがよかったので、結局あまり活⽤せずじまいでした。この辺は⼈によると思います。過去問に関しては(直前期は)5 年分ないし 3 年分の選択肢ひとつひとつを吟味できる程度にやりこむべきなので、その点から⾒るとこの講座だけでは不⾜なのかな、とも感じてしまいました。
(iro)
medu4過去問データベース(オススメ度★★★)
過去問演習といえば⼤半の⽅が QB を使⽤するでしょうが、個⼈的には medu4 の過去問データベース推しです。というのも、無料で使える上、解説が⾮常に簡潔にまとまっているためです。私は medu4 の過去問データベースでひたすら過去問演習を積み、少しわかりに
くいと感じた部分だけ、先輩に貰った QB の過去問解説集を読んでいました。
(iro)
メディックメディア(QA)(更新中)
medic mediaレビューブック 必修禁忌(オススメ度★★☆)
直前期に⼀番不安だったのが必修でした。(結局必修よりパンリンの⽅で失敗するのですが……笑)レビューブック必修にははじめのほうのページに必修ガイドラインの項⽬が全て載っているため、ここで⾃分の知らない単語だけ拾い上げてその部分だけ覚えていまし た。禁忌は⼀問⼀答形式が苦⼿だったのもあり、使ってないのでわかんないです笑
(iro)
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