医学部入試には筆記試験以外に面接試験があります。
面接試験に関しては、いろいろな対策講義や対策本が出回っていますが、僕は「研究医志望」というキャラを自分の中に構築した上で、シミュレーション→練習を繰り返すのが最も効果が高いと考えています。
理由①:研究医は不足している
下の画像は、日本で最も医学研究が盛んな大学の一つ、東大医学部の卒業生のうち、基礎研究の道に進んだ人の数の推移です。
東大医学部では1980~90年代前半には卒業生の1~2割が基礎医学研究の道に進みましたが、この数は年々減少していき、2000年代に入ると数人以下、年によっては0人の場合もあり、研究医の不足が叫ばれています。
研究が盛んな東大ですらこの状況ですから、他の大学ではもっと悲惨な状況であることが伺えます。
実際、全国の基礎医学系大学院で医師免許を持つ教員は激減しています。
面接官は医学部教授ですから、研究医であり、現在のこの状況を肌で感じ取っていると思います。そんな時に面接に来た受験生が「研究医志望です」と答えてくれると興味を持ちたくなるのではないでしょうか。
理由②:医学部は研究機関である
医学部とその附属病院には、3つの社会的責任があると言われます。
- 附属病院での臨床
- 研修医、医学生の教育
- 医学研究
1つ目の臨床は全ての病院で言えることですし、2つ目の教育も研修指定病院ならどこでもやっています。(見学学生の数は大学病院が段違いで多いですが)
3つ目の医学研究(特に基礎医学研究)は、大学病院や特殊な病院、その他かなり大きな病院でないとやっていません。
医学部は特殊な学部であり、「医師養成の専門学校」と常々お伝えしていますが、それ以前に大学の一つの学部という性質がありますので、研究にも重きが置かれているという訳なんですね。
先程の内容と被りますが、面接官は医学部教授ですから、研究医です。臨床系の教授も大学病院の診療科長であるとともに、研究室のボスであるということです。研究医である教授陣に「研究医志望です」と伝えるのは、やはり効果があるということがお分かり頂けると思います。
理由③:面接の展開を楽にしやすい
面接での定番の質問として「将来どういう医師になりたいですか?」というものがあります。
臨床現場、研究現場のことが全くわからない受験生にとってこの質問は少々酷であり、みんな適当に「心臓外科医になりたいです」とか「地元に帰って地域医療に貢献したいです」とか答えているのだと思いますが、「研究医になりたいです」と答えるとその後の面接の展開を楽にできると思います。
医療系ニュースまとめサイトでネタ探し
「研究医になりたい」と答えた後にはほぼ100%「どういう研究がしたい?」という質問が飛んでくると思います。
ここで使えるのが医療系ニュースまとめサイトです。最新の医療系ニュースをチェックしていくと「〇〇大の研究チームがこういう研究をしました」という記事がたくさん見つかると思います。その中で自分が気になった研究をピックアップして面接のネタにしてしまうのが良いと思います。
医療系ニュースまとめサイトはたくさんありますが、「マイナビRESIDENT」の「押さえておきたい今週の医療系ニュースベスト5!」が良いと思います。記事一つ一つが短くまとまっており、医学生・研修医向けですが、専門用語は少なく、受験生でも読めるのではないでしょうか。
受験生相手の面接において、研究の細かい内容にまで触れてくることはありえませんから、詳細まで理解する必要はなく、流し見程度で良いです。
ノーベル賞受賞の研究を挙げるのはリスク高め
ネタとしてノーベル賞受賞の研究について触れるのはちょっとリスクが高いかな、と思います。
なぜなら、基本的にノーベル賞は研究成果が出てから何十年も後に受賞するものだからです。要するに、その研究自体は「古い研究」ということですね。
その研究を元に世界中の研究者がさらなる研究を重ねているので、調べてみると面白いかも知れませんが、面接のネタとしてはあまりおすすめできません。
とは言うものの、僕自身は山中伸弥教授のiPS細胞を面接のネタとしました笑
iPS細胞は論文発表からノーベル賞受賞までが、たった6年という驚異的な短さだったので、ネタとして成立したという訳です。
いかにiPS細胞が世界に衝撃を与えたかが分かりますね。
できれば「基礎研究医志望」と答えるべき
研究に興味があると伝えるだけで面接官からの印象は良くなると思いますが、できれば「基礎研究医志望」と伝えた方が良いです。
先述のように、基礎研究医の不足はかなり深刻ですし、「臨床を極めれば極めるほど、基礎医学研究の重要さを実感する」と言う臨床医は多く、臨床系の教授もそれを実感していると考えています。
地域枠など特別枠の場合は注意
地域枠などの特別枠での入試の場合は、医師として与えられる役割が異なっているため、研究医志望と答えてはいけない場合があります。
地域枠は地域医療に貢献する臨床医を育成するために作られた枠ですので、素直に「地域医療に貢献したいです」と答えるのが筋でしょう。
面接官がどういう人材を求めているのか事前に見極めることが必要です。
シミュレーション→実際に練習 を繰り返すことが大事
ここまで面接の「裏ワザ」のような話をしてきましたが、面接対策でもっと重要なのは「シミュレーション→実際に練習」を何度も繰り返すことです。
面接官の気持ちになって、「こういう答えをしたら、次は何を聞かれるだろうか?」と頭の中や紙の上で何度もシミュレーションし、その後友人や家族などに協力してもらって実際に練習していくと、ある程度何を聞かれても動揺しないようになります。
事前準備はしっかりと、ということですね。
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コメント
家近いから受けましたワラって言ったら落とされたけど人の身体に興味があります(無いです)って言ったら受かった
参考にさせていただきます。
(因みに私は真夏推しです)